再開
―――――――元カノが昨日自殺した
バイトの疲れが溜まって寝そうな俺に衝撃が走った
最初は「縁切った女なんて関係ない。」と思ってた俺だが、周りの人の意見を聞いて行くうちに死にたくなってきた。
俺は、彼女が浮気してるんじゃないかと思って、ある日「別れない?」と告げた。
俺は、真実を問いただすために行ってみただけなんだが真に受けたらしくそのまま泣いて走って行った。
後で元カノの友達に聞いたのだが、俺が欲しいと言っていた腕時計を購入するために、そこら中を探してくれていたみたいだ。
そんなこと、今言うなよ・・・
今、平平凡凡と生きている俺が嫌になった
と同時に、悲しみの波が寄せてきた。
現実を受け止められずにいた俺を動かしたのは元カノの母親からの電話だった。
「もしもし 大丈夫?」
まさか、こんな声をかけられるとは思わなかった。
怒られるかと思っていたのに・・・
俺はただひたすらに「すいませんでした すいませんでした。」の繰り返し
元カノの母親は「なんで、あなたがあやまるの? とりあえず家の方にきてくれる? あの子のこと見てもらいたいし。」
俺は時計を見てみた
16時か・・・
「わかりました。すぐ行きます。」と告げて俺は電話を切った。
一昨日まで着ていた学生服を羽織り、母親にあいつの家に行ってくると告げ家を飛び出した。
元カノの家まではここから歩いて10分程のところにある
俺は、走った
生きてきた中で一番速く走っていたと思う。
5分後には、元カノの家の前にいた。
ここで、自分が汗だくなことに気付く。
これはやばいと思いあたふたしていたら玄関から元カノの母親がでてきた
「あら、早かったのね。」
いつもの笑顔とは違う、どこか淋しげな笑顔で言ってきた。
俺は、ポケットに入ってたハンカチで汗を拭き、元カノの家にはいる。
懐かしいなぁ・・・ と思いながら元カノの母親について行く
俺は、リビングの奥の和室に案内された。
部屋の中は線香の香りと微かに畳の香りがただよっていた。
そして、和室の真ん中には息を引き取った元カノが寝ていた
顔を見てみたがいつか目を覚ましそうな、ただ寝てるだけにしか見えなかった。
でも、首には、何かで縛ったような痣ができていた。
元コノの母親が「じゃあ私はちょっと買い物に行かないといけないからこの子のこと頼みますよ。」と言って静かに出て行った
元カノの母親は俺に気遣ってくれたのだろうか
近くにあった鏡を見て元カノの母親が席をはずしてくれた理由がわかった。
―――――――泣いていたのだ
自分の中で必死に悲しい気持ちを抑えていたつもりなのに・・・
元カノの母親はそれに気付き席を外したのだ
しばらくは黙ってずっと元カノの顔を見ていた
元カノの顔を見ていると元カノとの記憶が頭の中にあふれた
告白した時のこと、はじめてのデートのときのこと、くだらないことで喧嘩したこと、仲直りしたときのこと、祭りでいっしょに回った後花火をしたこと
浮気しているか確かめたときに言った言葉
「別れない?」
自分の中では、軽く思っていたこと
そして、元カノの友人から聞いた「あの子は浮気なんてしてないよ。」
だめだ、涙が止まらない・・・
ティッシュを取ったときに彼女の枕もとに手紙がおいてあったことに気付く
その手紙を見るべきか迷った
俺宛ての手紙なのか?
だから元カノの母親がここに俺を呼んだのか?
よし、見てみよう
元カノの枕元に置いてあった手紙に手を取る
どうやら俺宛ての手紙のようだ
開けるのが怖い
なんて書いてあるのだろうか
とりあえず読もう
勇気を振り絞って手紙を開けてみる
いつもの字だ
ノートの字もこんな感じだったなぁなどと思いながらその手紙に目を通す。
読み終えたあと俺は元カノにひたすら謝っていた。
その手紙には、「私は、あなた一筋だよ? でも、あなたは私のこと必要ないみたいだね。
でもあなたが悪いわけじゃないから気にしないでねb 次に会うときは私はあなたの前にはいないかもね。 じゃあ さようなら。 今までありがとうね^^」
なんだよこれ・・・
教えてくれよ?
俺は、元カノに思いっきり抱きついた
傍から見れば、仏様になしをしているんだといわれるだろう
元カノはもう冷たくなっていた
抱きついても何も反応は無い
その反応を見てさらに悲しくなった。
もう生きていくことに嫌気がさしてきた。
ポケットに睡眠薬が入っていることに気付く。
これは確か、不眠症になったときに処方されたものだったな
俺も、あいつの後を追うと自分の中で決めてしまった。
台所からコップと水を持ってきて、元カノと手をつなぐ
手をつないだ時に、元カノが一瞬笑ったような気がした。
そして、深呼吸をし、ポケットにあった睡眠薬をすべて口に含み水で流しこんだ。
時間がたどんどん立って行く・・・
だんだん視界が狭くなっていく、と同時に俺は恐怖を感じはじめる
しかし、元カノの手を握っていることを思い出し深呼吸する。
もう、ほとんど何も見えなくなったときに、最後の深呼吸をし、息を引き取った。
ふと目が覚めた。
「あれ? 俺って自殺したはずじゃ・・・」
とつぶやく。
しかし何も起こらない。
辺りを見回してみると、辺り一面真っ白だった。
しばらく歩いていると、遠くのほうに誰かいることに気付く。
「だれだろ?」
とにかく歩いていかないとわからない
とりあえずその人影のもとへ走った
そして近づいていくにつれてその人影がだれだかわかってくる
「あれは!」
俺は驚いた
その人影は
先ほどまで手をつないでいた相手だったのだから
もうしゃべることはできないだろうと思っていた相手だったのだから
彼女も気付いたらしく俺に向かって
「ひさしぶり!」
と声をかけてきた
俺は、突然のことだったので声が出せなかった
「どうしたの? らしくないね(笑)」
その声を聞いた瞬間に思いっきり抱きついた
俺は「ごめん! 本当にごめん! おれ勘違いしてた!」
と泣きながら謝った。
相手は、最初は驚いていたが
「大丈夫だよ さっきのこと全部見てたから。」
「え 見てたの?」
と俺が聴くと急に相手が笑いだした。
「あたりまえじゃん(笑) あんな大きな声で泣かれたら逝こうにも逝けないよ(笑)」
と彼女が笑った
俺もつられて笑った。
すると彼女が「やっぱり、笑ってる顔が一番だよ。」
と言った後すこし声を大きくして
「なんで私の後を追ってきたの? 手紙見たでしょ?」
俺はすぐに答えた「お前に会って謝りたかったからだ!」
すると彼女が「ありがとう。 でも貴方は死ぬことないよ。 貴方は生きて私よりいい人を見つけて! そのかわり上からずっと見てるよ? 相手を泣かすようなことしたら化けて出てやるからね。」
と言ってきた。
俺は何か言おうと思ったのだが声がでなかった。
次の瞬間に何も見えなくなった。
遠くのほうから彼女の声が聞こえる
「あなたは、まだここにくるのは早すぎよ。 早く元いたところに戻って!」
「今まで、ありがとう。 楽しかったよ。 また、何十年後かにここで会って話そうね。」
――――――「ばいばい」
その声を聞いた瞬間に目の前が明るくなった。
どうやら、元カノの家の和室にいるようだ。
手は握ったままだった。
起き上がって、元カノを布団に寝かせた。
さっき見たときよりも顔が笑っているような?
なんて思いながら。
すると元カノの母親が帰ってきた。
「手紙見た?」
と聞かれたので
「読みました。」と正直に答えた
「そう・・・ あの子も満足してると思うわよ。 今日はもう帰りなさい。」
そう言われたので、元カノの母親に一礼して元カノの家をでた。
あたりはもう夕暮れ時だった。
その時に見た夕焼けは、今まで見てきた中で一番きれいな夕焼けだった。
この作品への感想は、SUKIYAKI氏まで、メールでお願いします。

戻る