高校生の話
『ちょっとぉ、アンタ達またこんなトコで授業さぼって!』奈々だ。そう言えばもう2時間目休みか。
『だって、ダルいんだもん。』たくやが言った。俺等は6人で毎日のように授業をさぼっていた。理由は特にないが、授業を受ける気はしなかった。そんな俺等を奈々はだけは心配してくれる。
『もうチョットで卒業なんだから…授業ぐらい出て?』
ミンナ奈々の事がスキだった。だから学校には来ていた。奈々に逆らえない6人は渋々教室に戻る事にする。
『いつもゴメンな!』すれ違いざまに俺が言った。俺もまた、奈々に惚れていた。
『弘樹だけ良い顔しやがってぇ』諒が小声で言った。
ミンナ奈々の事がスキなのだが、かなり奥手だった。勇気を振り絞って一緒に帰ったとしても7人、一緒に遊ぶのも7人。奈々以外の6人はホントは2人が良いと思ってるはずだ。
そんな奈々にある日彼氏ができた。年上で、さわやかで、まるで俺たちと正反対だ。俺たちは落ち込んだ。それでも奈々がスキで、奈々を振り向かせたくて、迷惑をかけないようにしたし、授業も毎回出た。それでも奈々は俺たちと正反対のさわやかな年上の彼氏を好きでいた。そのまんま時が過ぎ、卒業まであと1週間となってしまった。
そんな時ある噂を耳にする。
━奈々の彼氏がこの町を出ていった━
俺たちはうれしかった。もう障害物は居ない。
嬉しくて久々に夜遊びをしていた。今まで、奈々に迷惑をかけまいと良い子にしてたカラ久しぶりだ。
『ん??』駅に人影が見える。もう終電は過ぎたはずだ。なのに何で…
『あれ奈々じゃね?』誰かがそう言ったと同時にミンナが駆け出した。それは、奈々が、いつも俺等を心配して怒ってた奈々が、今にも泣きだしそうな顔でポツンと一人ベンチで座って居たから。
ミンナが奈々の所についた頃には奈々は俺等に気付いていた。
『ミンナ…夜遊びダメって言ったじゃん』そう言ったと同時に奈々は泣きだした。
俺たちはスグには理由がわからなかったが、なんとなく感付いていた。
『忘れろよ』この声が奈々に届いたかわからない。外では車がうるさく通っていて、奈々の声を聞き取るのも難しかった。
『ゴメン、1人にしてくれる??』俺たちは静かにその場から離れた。
『アイツを待ってるんだよな』イツモ最初に口を開くのは祐介だ。
『奈々、そんなにスキだったんだ。』伸吾が喋るのはめずらしい。伸吾はしゃべらないが、彼は彼なりに色々考えていた。
『俺等これで良いのかよ』諒だ。諒は、行動的だった。ケンカをする時も1番強かった。
『でも、1人にしてって言われちゃったし』あきらはマイナス思考だ。だけど相手の事をちゃんと考えていて、やさしかった。
『そんなんじゃダメだよ。いつも俺達は奈々に元気をもらってた。奈々の笑顔があるだけで、幸せな気分になれた。俺たち、いつも奈々に迷惑かけてた。奈々のおかげで俺たち今までやってこれたんじゃないのか!?』俺は少し感情的になってしまった。
『奈々の泣き顔はもう見たくないよ!』
『奈々を元気付けよう!』
『そうだよな…奈々の笑った顔が俺たちの力になってたんだ』
ミンナが次々に言った。
『行こう』たくやの一言でミンナが奈々のもとへ足を戻す。
奈々はまだ泣いていた。
『ねぇ…俺たち、いつも奈々に迷惑かけてた。だから今度はおれらが守ってやるから…だから泣かないで』祐介も泣きそうになっている。
しばらくたって奈々が口を開いた。
『いくら待っても来ない、待ってても無駄なんだね。ゴメンね…みんな、ありがと』
『あの場所に行こう』俺は知っていた。奈々がアイツに告白をした、あの場所…
7人は奈々を抱き抱えてあの場所へと走った。
『おろして!!』奈々の恥ずかしそうな声が聞こえる。もちろん無視だ。
やっと着いた頃には彼女はもうクタクタだった。
『大丈夫??』あきらが心配してる。
『俺たち、ミンナお前の事、スキだったんだ。』俺の一言にミンナ驚いている。もちろん奈々も。俺も恥ずかしくなって『憧れてたんだよ』と付け足した。
『ありがとう。ミンナのおかげで、元気になった。もうあんな奴忘れる!!』奈々はそう言うと、川にむかって石を投げはじめた。ほかの6人も投げはじめる。
『今度は俺たちみたいな人にしろよ』
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