一心同体

著:星新二

親愛なる明子へ 
 ひさしぶり!元気してた?大学卒業以来会ってないもんねえ。一児のママとしてバリバリ主婦やってる明子の姿、見てみたいなあ。健司をはじめ、すべてのオトコのマドンナだった明子のことだから、今でもあの頃の美貌は変わってないんだろうけど。健司と結婚するって聞いたとき、すっごくびっくりしたんだよ。だって、健司って、明子の好みから一番遠いオトコだったじゃん(笑)。 
 年賀状もらって田のに返せなくてごめんね。千歳ちゃん、かわいいねえ。年賀状を通して幸せが充分伝わってきたよ。愛犬のペロは元気?
 前置きが長くなったね。今日私がこの手紙を書いたのは、明子に報告があるからなの。実は私、結婚するんだ。相手は二歳年下の平凡なサラリーマン。仕事は平凡だけど、彼はとっても不思議な人なのよ。この間も、私がカゼをひいて寝込んでるのに全然お見舞いにきてくれなかったの。それで、もしかして浮気してるんじゃないかと思って、あとになって問いつめてみたの。そしたら、ちょうど同じころに彼も寝込んでたんだって!それだけじゃないのよ。デートに着る服もいつも同じ色だったり、どこかをケガすると彼も同じところをケガしたり・・・。不思議でしょ?一心同体ってこういうことをいうのかしら。それとも、これも愛の力かしら・・・。
 私ののろけ話にうんざりしてる明子の顔が浮かんだので、のろけるのはこのぐらいにしておきます。明子は私より三年も主婦歴長いんだから、いろいろ相談に乗ってよね。来年の春には赤ちゃんも生まれるし、新米主婦として頑張らなきゃ!
 時間があったらどこかに遊びに行こうね。元気な明子に会えるのを楽しみにしてるよ☆    
美香より

 ある日の夕方、一人の青年が近所の内科を訪れた。
「どうしました?」
 医者の問いかけに、青年はこうこたえた。
「最近、何だかお腹がふくらんできたような気がするんですよ」
「食べ過ぎかもしれませんね。あるいは、便秘とか」
「そんな感じじゃないんですよ。何か、お腹の中に小さな生き物が入っているような・・・」


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